地方公共団体の内部統制評価報告書の公表状況調査【群馬県編2】

・群馬県には12市ある。

・各地方公共団体のHPによると、現時点で内部統制評価報告書を公表している市には、伊勢崎市、渋川市、富岡市がある。

§その他の市:伊勢崎市(人口約21万人。令和7年10月1日現在。以下同様。)、渋川市(人口約7万人)、富岡市(人口約4万4千人)

Ⅰ.伊勢崎市

・令和6年度の内部統制評価報告書の評価結果は以下の通りである。

 上記評価手続のとおり、ガイドラインに規定する評価作業を実施した限り、全庁的な内部統制の評価については、不備は確認されず、体制として適切に整備され、かつ有効に運用されていると判断しました。
 一方、業務レベルの内部統制の評価については、運用上の重大な不備を把握したため、評価対象期間中において一部が有効に運用されていないと判断しました。

・運用上の重大な不備の内容と再発防止策は、附属資料の参考資料に7件掲載されている。

① 源泉所得税及び復興特別所得税の納付遅延(総務部職員課)

(ア)事案概要 令和6年11月分所得税の支出処理において、支出伝票の支払予定日を誤って起票し、支出を行ってしまったことにより、納付遅延による延滞税の支払いを生じさせてしまった。
(イ)原因 担当職員が財務会計システムにて支払予定を誤って入力してしまい、その後の確認作業においてもその誤りに気づかず、決裁処理が行われ、支払い処理がされてしまったため。
(ウ)再発防止策 業務管理シートの見直しを行い、支払予定日についてのチェック項目を設けた。回議では複数の係員によるチェック体制に改めた。
(エ)重大な不備とした理由 管理体制の不備により、本来発生しない延滞税を発生させ、市民の信頼を大きく損なうものであるため。

② 国民健康保険税の滞納処分の誤り(財政部収納課)

(ア)事案概要 令和6年1月18日及び同年6月18日に、国民健康保険税の滞納者に対し滞納処分を行うため、預金の差押えを行った。
同年12月24日に、滞納者の状況について再度確認をしたところ、差押えを行った預金の口座は、滞納者と同姓同名で生年月日も同一の別人の名義であることが発覚した。
(イ)原因 預金の差押えの際に登録住所の履歴確認が不十分であった。
(ウ)再発防止策 預金の差押えを行う際に、口座登録住所と滞納者の登録住所の履歴が一致するかの確認を徹底するため、ダブルチェックの体制を確立する。
(エ)重大な不備とした理由 税務行政の信頼を著しく損ね、多くの市民へ不信感を与えたため。

③ 領収書のインボイス登録番号の誤り(環境部清掃リサイクルセンター21)

(ア)事案概要 令和7年3月3日から3月6日までの間に発行した、ごみの持込に伴う一般廃棄物(ごみ)処理手数料を徴収した際に発行する領収書において、113枚(80 者分)のインボイス登録番号に誤りあった。
(イ)原因 POSレジスターを導入した際に、領収書のインボイス登録番号の設定を誤った。
(ウ)再発防止策 新たに設備を導入した際には、設備納入業者、市の業務担当者による複数人での精査を行うとともに、チェックシートを活用してチェック体制を強化し、今後の再発防止を徹底する。
(エ)重大な不備とした理由 対象件数が多く、市の管理体制に対し、多くの市民へ不信感を与えたため。

④ 委託事業者における個人情報を含む電子メールの誤送信(長寿社会部高齢政策課)

(ア)事案概要 令和6年9月12日、本市が実施する高齢者見守りライト貸与事業において、委託事業者が351人分の個人情報を含むデータファイル1件を第三者の個人アドレス1件に誤って送信した。
(イ)原因 本市からデータファイルを受信した委託事業者の担当者が、別の担当者にデータファイルを送信しようとした際、電子メールの宛先欄に表示された電子メールアドレス一覧の中から、誤って当該第三者の電子メールアドレスを選択し、十分な確認をせず送信してしまった。
(ウ)再発防止策

委託事業者に対し、個人情報の取扱い及びその重要性について指導し、委託事業者においては、本事業に携わる全ての担当者に対し個人情報を含む電子メールを送信する際の作業手順及び遵守事項を周知徹底するとともに、情報セキュリティに関する再教育を実施することとした。

(エ)重大な不備とした理由 市の管理体制に対し、多くの市民へ不信感を与えたため。

⑤ 公共物使用料の一部算定誤り(建設部道路管理課)

(ア)事案概要 法定外公共物の使用許可を受けたものに対して使用料を徴収しているが、令和6年4月5日に発送した納入通知書の内16件について使用料の誤りが判明した。4月9日に対象者へ連絡し、算定誤りの内容について説明し、訂正した納入通知書を4月12日に再発送した。
(イ)原因 令和6年1月にシステム保守業者が過去の未更新物件を手動で更新したが、過去の請求数量データと更新データの整合作業を失念したため、更新データの数量が過去の請求数量データに加算されてしまった。また、システム保守業者、市の業務担当者ともに、発送前のデータの精査が不十分であった。
(ウ)再発防止策 データの更新手順の明確化と送付データの精査の徹底のために、データ処理手順書及び検査表を作成した。また、前年度のデータとの比較のために、通知内容の比較一覧表を作成し、チェック体制を強化した。
さらに、納入通知書の発行に至る工程の明確化のために納入通知書発行工程表及び確認チェックリストを作成し、今後の再発防止を徹底することとした。
(エ)重大な不備とした理由 市の管理体制に対し、多くの市民へ不信感を生じさせたため。

⑥ 消費税及び地方消費税の納付遅延(経営企画部財務課)

(ア)事案概要 令和6年7月1日から令和6年9月30日までの第 2 期中間申告について、支出伝票の支払予定日を誤って起票し、支出を行っ
てしまったことにより、納付遅延による延滞税の支払いを生じさせてしまった。
(イ)原因 前回までは中間納税についての通知が税務署から郵送されていたが、今回から郵送物が廃止されたこと及び第2期中間納税
時期について失念していたことにより、納付が遅れてしまった。
(ウ)再発防止策 年度当初時点で中間納税の時期をスケジュールに登録し、係間で業務スケジュールを共有することで漏れのない対応を行う。
(エ)重大な不備とした理由 管理体制の不備により、本来発生しない延滞税を発生させ、市民の信頼を大きく損なうものであるため。

⑦ 予定価格3,000万円以上の財産の取得案件を議決を経ず契約(教育部学校教育課)

(ア)事案概要 群馬県内の他市において教師用指導書等を議会の議決を経ずに購入していたとの報道を受け、過去10年間に遡り調査を行ったところ、小学校の教師用指導書の購入のうち、平成27年度、令和元年度、令和5年度の各1件、計3件において、伊勢崎市議会の議決に付すべき契約及び財産の取得又は処分に関する条例第3条に規定する議会の議決に付さなければならない、予定価格が3,000万円以上の財産の取得であったにもかかわらず、議会の議決を経ずに随意契約をしていたことが判明した。
(イ)原因 平成27年度において、教師用指導書の単価が上昇したことにより、予定価格が3,000万円を超えていたが、議決が必要であることに気付かず、それ以降も同じ対応を引き継いでしまっていた。
(ウ)再発防止策 議会の議決に付さなければならない財産の取得基準の周知を徹底するとともに、契約に関するチェックリストの見直しとして、教育委員会執行確認チェックシートを令和6年度に新たに作成した。また、全庁的に作成している議決予定案件一覧に基づき包括的に確認する等、適切な手続きを行えるよう体制を強化した。
(エ)重大な不備とした理由 経るべき議会の議決を経ないで、不適切な予算執行が長期にわたって行われていたことは、管理体制の不備であり、市民の信頼を大きく損なうものであるため。

 

§伊勢崎市内部統制制度:https://www.city.isesaki.lg.jp/soshiki/somubu/somu/bunsyokanri/19889.html

Ⅱ.渋川市

・令和6年度の内部統制評価報告書において、内部統制の評価結果は以下の通りである。

上記評価手続のとおり、ガイドラインに規定する評価作業を実施した限り、渋川市の財務に関する事務及び働きかけへの姑応に関する事務に係る内部統制は評価基準日において有効に整備及び評価対象期 間においておおむね有効に運用されていると判断しました。

§渋川市内部統制について:https://www.city.shibukawa.lg.jp/shisei/000306/000308/p008293.html

Ⅲ.富岡市

・令和6年度の内部統制評価報告書において、内部統制の評価結果は以下の通りである。

上記評価手続のとおり、ガイドラインに規定する評価作業を実施した限り、富岡市の財務に関する事務及び個人情報保護に関する事務に係る内部統制は評価基準日において有効に整備され、評価対象期間においても有効に運用されていると判断した。

§富岡市内部統制評価報告書:https://www.city.tomioka.lg.jp/www/contents/1761027592608/index.html

以下、次号。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です