地方公共団体の内部統制評価報告書の公表状況調査【大阪府編その1】

・今回から2回に分けて大阪府を取り上げる。現在では名古屋駅から新大阪駅へは新幹線で約50分で行ける。
§新大阪駅:https://www.jr-odekake.net/eki/top?id=0610155

・大阪府には33市ある。

・各地方公共団体のHPによると内部統制評価報告書を公表している市は大阪市、堺市、豊中市、枚方市、泉南市があり、おそらく令和6年度の内部統制評価報告書を公表予定の河内長野市がある。その他、独自の取組で内部統制実施状況報告書を作成している東大阪市があった。
§指定都市:大阪市(人口約277万1千人)、堺市(人口約81万2千人)
§中核市:豊中市(人口約39万9千人)、枚方市(人口約39万2千人)、東大阪市(人口約48万6千人)
§その他の市:河内長野市(人口約9万8千人)、泉南市(人口約5万8千人)

・その1では、大阪市、堺市、豊中市、枚方市を取り上げる。

1.大阪市

・代表社員が監査法人勤務時代のクライアントの支店があり、またプライベートで何度か訪れたことがある。

・大阪市のメイン繁華街の梅田、大阪城、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン、通天閣、海遊館、あべのハルカスなどがある。
§梅田:https://osaka-info.jp/modelcourse/kita/
§大阪城:https://www.osakacastle.net/
§ユニバーサル・スタジオ・ジャパン:https://www.usj.co.jp/web/ja/jp
§通天閣:https://tsutenkaku.co.jp/
§海遊館:https://www.kaiyukan.com/index.html
§あべのハルカス:https://www.abenoharukas-300.jp/index.html

・HPのトップ上部は、「万博パビリオン」が2つ、「うめきた2期」、「大阪城天守閣」のスライドショーとなっていた。
§大阪市役所:https://www.city.osaka.lg.jp/
§EXPO2025:https://www.expo2025.or.jp/

・令和4年度の内部統制評価報告書の評価結果は以下の通りであり、また運用上の重大な不備1件について別紙2で記載している。

3 評価結果

 2記載の評価手続による評価を実施した限り、全庁的な内部統制については、評価基準日において有効に整備され、かつ評価対象期間において有効に運用されているものの、業務レベルの内部統制については、運用上の重大な不備1件を把握したため、一部有効に運用されていないと判断しました。

 具体的な内容は、別紙2のとおりです。

別紙2
(表)財務に関する事務における業務レベルの内部統制についての運用上の重大な不備事案

所属 教育委員会事務局
課・担当 学校運営支援センター 学務担当
対象事務 学校における物品購入契約及び経費の支出
不適切な事態の内容 業者から収受した請求書13件及び見積書15件を紛失したもの
発生期間 請求書の紛失:令和3年7月~8月(修正前 令和3年5月~8月)
見積書の紛失:令和3年5月~12月
判明日 請求書の紛失:令和3年8月4日
見積書の紛失:令和3年12月27日
総括内部統制責任者への報告日 令和5年6月8日
令和5年7月6日一部修正報告
主たる発生の原因 ・事案が発生した当該小学校では、日頃から請求書等文書の整理ができておらず、文書の保管場所も定めていなかった。
・教育委員会事務局が作成した職員向けの手引きやマニュアルに、請求書等文書の紛失の未然防止ができる内容が記載されていなかった。
是正措置(再発防止策) ・当該校では、請求書等文書を収受した際には速やかに当該文書を事務室内の所定の引き出しのファイルボックスに保管することとした。
・令和5年5月、教育委員会事務局では、学校園における公文書の「紛失防止手順」を策定し「学校事務の手引き」に掲載するとともに、同手順を掲載した同手引きの更新を各学校園長宛てに通知した。
 また、学校園向けの財務会計業務マニュアルにも、同手引きを参照して適切に文書の取扱処理を行うよう注意喚起する内容を記載し、学校園職員が閲覧できる庁内ポータルサイトに掲載した。
・令和5年7月以降、共同学校事務室*を活用した不適切な事態の末然防止のための点検を実施予定。(筆者注:*の説明文書は記載省略)
重大な不備に該当する理由 当該不適切な事態の内容が①から③までの全てを満たすため
 ①当該不適切な事態が10件超
 ②懲戒処分あり
 ③当該不適切な事態に対する全市的な注意喚起あり
その他 令和5年6月、公文書の管理に関する業務に係る共通業務内部統制部局が当該校に出向き、是正措置(再発防止策)が有効に機能していることを確認。

§大阪市役所内部統制:https://www.city.osaka.lg.jp/somu/page/0000286573.html

2.堺市

・代表社員は、堺市に戦国時代の茶室の面影を求めてプライベートで訪れたことがあるが、行きついた場所はまさに工業地帯であった。

・百舌鳥・古市古墳群、堺・高石工場夜景、さかい利晶の社などがある。
§百舌鳥・古市古墳群:https://www.mozu-furuichi.jp/
§堺・高石工場夜景:https://kojoyakei.info/area/sakai.php
§さかい利晶の社:https://www.sakai-rishonomori.com/

・HPのトップ上部は、「第51回堺まつり」、「熱中症に気を付けよう!熱中症予防等ポータルサイトはこちらから」、「もしもの時に備えよう 防災マップの活用を!」などのスライドショーとなっていた。
§堺市役所:https://www.city.sakai.lg.jp/index.html

・令和5年度の内部統制評価報告書の評価結果には以下の記載があった。

3 評価結果

 上記の評価手続に基づいて全庁的な内部統制の評価と業務レベルの内部統制の評価を実施し、内部統制の有効性について下記のとおり判断しました。
(1)全庁的な内部統制の評価
 内部統制の基本的要素(①統制環境、②リスクの評価と対応、③統制活動、④情報と伝達、⑤モニタリング、⑥ICT への対応)ごとに設けた評価項目について、次表に記載する主な検証資料に基づいて確認を行ったところ、内部統制対象事務に係る不備は把握されなかったため、内部統制は有効に整備及び運用されていたと判断しました。(筆者注:次表省略)

(2)業務レベルの内部統制の評価
 各部局における不備を記録したリスク評価シートの内容や、記録されていない不備の有無等については定期監査の結果など、各種資料に基づき不備の発生状況の点検を行ったところ、整備上の不備は見当たらず、有効に整備されていたものと判断しました。
 一方、評価対象期間において内部統制対象事務に係る運用上の不備が次表のとおり 166 件把握されたことから、内部統制の一部は有効に運用されていなかったと判断しました。(筆者注:次表省略)。

・なお、ここでは166件が重大な不備に当たるかは記載されていないが、不備の是正に関する事項において、「市・市民に対し、大きな経済的・社会的な不利益を生じさせる蓋然性の高いものや実際に生じさせたもの」の事案2件が記載されており、以下に記載する。

事案 中区における生活保護費の不正支給(リスク 15 補助金、助成金等の不適切な交付)
内容 生活保護費の支給決定が、基本的な手順の懈怠、不十分な審査、基本的なルールの逸脱の中で行われた結果、生活保護費 325,800 円が不正に支給された。
これらの不適切な対応が積み重なった要因は、個人判断による我流、場当たり的な対 応(予定日外・窓口外での支給)にあった。

是正措置 改善措置

不正に支給された生活保護費を生活保護法の規定に基づき徴収決定し、返還された。 再発防止策として、適正な事務処理確保のため、予め設定した日以外での生活保護費 の支払いや窓口外での現金支給について、職員個人の判断ではなく組織的に対応し、 対応の過程を記録に残すこととした。
事案 道路照明灯電気料金の過払い等(リスク 14 支出科目、支払金額、支払先等の誤り)
内容 大阪府と電力会社との間で発生した道路照明灯の電気料金過払い事案を受けて調査 した結果、市が管理する道路照明灯の電気料金について、約 1630 万円の過払いと約 1540 万円の未払いがあることが判明した。
是正措置 改善措置 過払いのものは契約廃止、未払いのものは新規契約の手続きを行い完了した。また、電力会社と過払い金・未払い金の取扱いの協議を進めた。 再発防止策として、従来からオンライン申請を行っていた新規契約・変更契約に加え、契約廃止もオンライン申請を行い記録を残す、また、電力会社から請求があった場合は、申請履歴と請求内容を突合し、請求の根拠を確認することとした。

§堺市市役所内部統制:https://www.city.sakai.lg.jp/shisei/gyosei/naibu/index.html

3.豊中市

・代表社員は、監査法人勤務時代の仕事の合間に、千里中央駅付近でレストランや喫茶店に入った記憶がある。

・千里中央公園や大阪国際空港(兵庫県伊丹市にまたがっている)などがある。
§千里中央公園:https://www.koentanbo.com/senrichuo/
§大阪国際空港:https://www.osaka-airport.co.jp/

・HPのトップ上部は、「豊中市・沖縄市 兄弟都市提携50周年 豊中まつり」、「音楽あふれるまち とよなか音楽月間 2024.9.29SUN - 12.8SUN」、「兄弟都市提携 50周年 豊中市 沖縄市」、「2025年大阪・関西万博子ども無料招待」などのスライドショーとなっていた。
§豊中市役所:https://www.city.toyonaka.osaka.jp/

・令和5年度の内部統制評価報告書の評価結果は、以下のように記載されていた。

3 評価結果
 上記評価手続のとおり、ガイドラインに規定する評価作業を実施した限り、評価対象期間中の運用上の重大な不備を1件把握したため、本市の財務に関す る事務に係る内部統制は評価対象期間において一部有効に運用されていないと判断いたしました。

・運用上の重大な不備に関する事項は附属資料の重大な不備の是正に関する事項に詳しく記載されている。

(1)工事設計金額の積算誤りについて
 本事案は財務部施設課が所管する豊中市立庄内体育館及び豊中市立ロー ズ文化ホールの「大規模改修工事」と「大規模改修空調設備工事」で発生 しました。
 仮契約締結後、他の業者から共通費の経費について「改修工事」ではな く「新営工事」を採用しているので違算ではないかとの問合わせがあり、 確認したところ違算が判明し仮契約を解除したものです。
  通常、改修工事は「改修工事単価」と「改修工事共通費」で、新築工事 は「新営工事単価」と「新営共通費」で算出することになっています。し かし、今回のような敷地単位で施設を閉鎖して、新築と同様の現場環境を 整備する場合は、「新営工事単価」を採用するとされていたため、この工 事では「新営工事単価」を採用しました。
 一方、共通費についてはこのように取り扱うことになっていませんでし たが、単価と共通費は同じ区分を採用するという通常の考え方に基づき 「改修工事共通費」ではなく「新営工事共通費」を採用したため違算が発 生したものです。
 事案把握後、積算基準の取り扱いについては細心の注意を払って適用条 件を確認するよう全庁関係課に周知するとともに、入札の透明性及び公平 性を確保するため「豊中市建設工事等に係る設計違算に関する事務取扱要 綱」を制定しました。

事案の正誤
(1)工事単価、共通費

  正 誤
工事単価 新営工事単価 新営工事単価
共通費 改修工事共通費 新営工事共通費


(2)予定価格(税込)への影響              単位:円

  正 誤 差
大規模改修工事 656,844,100 664,782,800 7,938,700
大規模改修空調設備工事 445,214,000 454,514,500 9,300,500

§豊中市役所内部統制報告書:https://www.city.toyonaka.osaka.jp/joho/keikaku/naibutousei/a00102001sdgdhsrh.html

4.枚方市

・代表社員は、枚方市に足を降ろしたことはないが、鉄道や自動車で通過したことはある。

・ひらかたパークや枚方T-SITEなどがある。
§ひらかたパーク:https://www.hirakatapark.co.jp/
§枚方T-SITE:https://store.tsite.jp/hirakata/

・HPのトップ左部には、「マイカタ ちゃいます、ひらかた です。」となっていて関西っぽい言い方で、まずは地名を正しく発音してもらおうとしている。背景は、枚方市の風景を映した写真がスライドショーになっていた。
§枚方市役所:https://www.city.hirakata.osaka.jp/front.html

・令和5年度の内部統制評価報告書において、内部統制の実施状況の評価は、以下のように3つの視点から行われたと記載されている。
(1)評価の視点①:意図したように内部統制の効果が得られておらず、結果として不適切な事項が発生していないか
(2)評価の視点②:規定されている方針及び手続で内部統制の目的を十分に果たすことができるか
(3)評価の視点③:規定されている方針及び手続が適切に適用されているか 等

 なお、(1)において、発生した全ての具体的リスクにつき、「発生したリスクの内容」と、「再発防止策の内容」が報告書に記載されている。また、発生した具体的リスクの重要度を分類し、全部局で発生したリスク 83 件中、重要度「高」に分類されたリスクは 26 件(内訳:高Ⅱ23件、高Ⅲ3件)であったとしている。
§枚方市役所内部統制制度:https://www.city.hirakata.osaka.jp/0000031745.html

以下、次号。

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